半導体業界とは
半導体メーカー
半導体メーカーは、半導体材料メーカーから仕入れた材料や、半導体製造装置メーカーから導入した装置を使って、半導体を製造します。
近年では、半導体の微細化技術の急速な進歩により、半導体の生産設備に莫大な投資や技術力が必要になったことから、様々な企業の半導体製造を受託するファウンドリーという業種も生まれています。
半導体製造装置メーカー
半導体製造装置メーカーは、ウエハから半導体を作るために必要な装置を提供しています。半導体の製造には、エッチングやフォトリソグラフィーなど様々な工程があり、工程ごとに異なる機能を持った装置が必要となります。専門性が求められるため、独自の強みをもったメーカーが多数存在します。
半導体材料メーカー
半導体材料メーカーは、半導体を作るために必要な材料の製造や開発をしています。半導体プロセス工程ごとに特化して材料を提供していることが特徴です。技術革新のためには今までにない機能の材料を求められることも多く、重要な役割を担っています。
半導体商社
半導体商社は、半導体関連製品を専門に扱う商社です。顧客のニーズに最適な製品を提案する必要があるため、半導体に関する知識は必要不可欠です。
さらに顧客メーカーは、既製品を購入するだけでは自社のニーズを満たせないこともあり、製品のカスタマイズを求めることもあります。これらの要求を深く理解しニーズに応えるために、半導体商社内に多くの技術者が在籍しているケースも見受けられます。
半導体業界の職種紹介
研究開発・設計
半導体メーカーや半導体製造装置メーカー、そして半導体材料メーカーにおいて、自社製品に関する研究開発・設計を行います。半導体業界は、年々技術革新が目覚ましく、顧客のニーズを満たすために新しい技術を採用する必要があります。
最先端技術に常に触れられる仕事のため、非常にやりがいのある仕事といえます。
半導体製造
半導体製造の特徴は、クリーンルームと呼ばれる空気の清浄度が確保された空間で行うことです。半導体の微細化に伴い、小さなホコリが製品に付着してしまうと不具合が生じてしまうためです。
他の工場と比較して、キレイ、静か、肉体的な負荷が少ないなど働きやすい環境であると言えます。
生産技術
生産技術は、予算や時間、材料調達、安全性などとバランスをとりながら、工場の生産性を最大化させることが求められます。その中で装置や設備の導入、改良が必要になることもあり、その際は工場が早期に生産体制を整えられるようにリードします。
製品の良品率や、工期短縮は、半導体製品の競争力に直結するため、日々改善が行われており、ちょっとした工夫や発想が、生産効率を高めることに繋がることもあります。
生産管理
生産管理は、半導体製造の司令塔です。生産スケジュールの調整や在庫管理を行い、半導体製造がスムーズに行われるように、部署間や社外と連携しながら対応します。マネジメントスキルを身につけることができ、今後のキャリア形成に活かせる貴重な経験になります。
品質保証
製品の品質を保証するために、設計段階において懸念点を指摘してトラブルを未然に防止したり、顧客からのトラブル報告に対応したりします。統計学的にデータを分析することが多く、数字を用いた客観的なデータを使って課題発見、解決を行っていきます。不良品解析時には、電子顕微鏡や故障解析装置などの専門的な装置を用いて、問題点の解明を行います。
調達・購買
競争力のある半導体製品を世に出すためには、高品質、低コスト、安定供給可能な材料や装置設備を導入する必要があります。その中で、社外サプライヤーの窓口となるのが、調達・購買です。半導体商社と協力しながら進めていくケースもあります。
半導体業界はグローバルにプレイヤーが存在するため、国内だけでなく海外企業から資材を調達する場合もあります。
営業
半導体業界の営業職は、豊富な技術的知識を身につけておく必要があります。なぜなら一般消費者が日常生活で触れる商品と比べて、取り扱う商品の専門性が高く、浅い知識では顧客からの質問に答えることができないためです。
そのため、理系出身者や元エンジニアなどが営業を行うケースも珍しくありません。エンジニアの次のキャリアとして、自分の実績をより数字にしやすい営業職を希望するケースも見受けられます。
その他(人事、経理等のバックオフィス)
半導体業界においても当然、経理、人事、法務、総務、情報システムなどのバックオフィス人材を求めています。半導体業界の未経験者であっても、今までの経験を活かして半導体業界に転職しやすい職種の一つです。
社会を大きく変えてきた半導体業界で、あなたのスキルを存分に発揮してみませんか?