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今回は、パワー半導体の注目企業であるタムラ製作所を紹介します。
タムラ製作所の企業概要
タムラ製作所は1939年に設立されました。東証プライム市場に上場しています。
売上高は1,066億円です。
事業内容は、電子部品、電子化学材料・はんだ付け装置、情報機器の製造販売を行っています。
従業員は連結4,410人で、東京練馬区に本社があります。
タムラ製作所の業績
タムラ製作所の業績について見ていきましょう。
直近10年の売上高、営業利益の推移を示しています。
2021年度のコロナによる影響や、直近数年の円安による波はあるものの、堅実で安定した経営がされています。
直近の営業利益率は4.6%となっています。
タムラ製作所の歴史
タムラ製作所の歴史について紹介します。
創業者の田村得松さんは、アメリカの高度な科学技術に憧れを抱き20歳で渡米し、デトロイトで自動車技術者として働きながら夜学にも通って、機械技術を学びました。
日本に帰国後、機械技師としてラジオの試験放送に立ち会った際、ラジオの将来性を見出し、その後独自にラジオを作り上げました。そして日本のラジオ放送開始の1年前の1924年、田村ラヂオ商会をスタートしました。
1932年には、試行錯誤の末トランスの開発を成功させました。当時は、巻線機や適切な測定器も市販されていなかったため、それらも自作しました。
その後トランジスタの出現で電子部品の小型化が進み、はんだ付けに細かい作業が求められるようになったことでトラブルも多くありました。そのような中、1956年には日本初の完全非腐食性はんだろう接材フラックスを開発し、電子化学材料の領域でも事業を発展させていきました。
事業別売上比率
現在では、3つの事業領域で様々な製品を扱っています。
事業別売上比率を見ると、電圧制御やノイズ除去で使用するトランスやリアクタを扱っている電子部品事業が68%と最も売上が大きなビジネスです。また、基盤に素子を実装する際に使用するソルダーペーストやフラックス、さらにリフロー装置を扱っている電子化学実装事業が29%、テレビ・ラジオ局で音声編集などに使用する音声調整卓を扱っている情報機器事業が3%となっています。
タムラ製作所の将来性:酸化ガリウム
タムラ製作所は次世代パワー半導体材料の候補の1つである酸化ガリウムの開発で非常に注目されている企業です。
酸化ガリウムは、現在活用が広がりつつあるSiCよりもバンドギャップエネルギーが広く、エネルギー損失をSiCの1/3にすることができるとされており、エネルギー効率が非常に高いことが強みです。
2015年には、タムラ製作所、情報通信研究機構、東京農工大学の研究チームが、酸化ガリウムエピウエハの開発に成功しました。
現在ではタムラ製作所からカーブアウトしたベンチャー企業であるノベルクリスタルが手掛けています。
酸化ガリウムは性能が高いだけでなく、量産性にも優れている点で注目されています。
半導体材料の単結晶インゴットを作る際、SiCやGaNは気相法で製造するため、成長速度が1時間あたり数百μmと非常に遅いことが課題です。それに対して、酸化ガリウムは融液法で製造できるため、1時間あたり数十mmという速度で高品質な単結晶を作成することができるようになります。その結果、コストを大きく下げられると期待されています。
さらに酸化ガリウムは、シリコンと同等の硬さのため、加工もしやすいという長所を持っています。
これらの研究結果が認められて、2022年には酸化ガリウムの研究において、ノベルクリスタルテクノロジーは半導体・オブ・ザ・イヤーのグランプリを受賞しています。
タムラ製作所からは特許技術供与、技術支援・販売支援、さらに周辺装置・材料のコラボレーションを行うなど、ノベルクリスタルテクノロジーとの相乗効果が期待されています。
タムラ製作所の開発・製造拠点
タムラ製作所の開発・製造拠点を見ていきます。
拠点は埼玉にまとまっています。
坂戸事業所では電子部品、入間事業所・児玉工場では電子化学、狭山事業所では実装装置を取り扱っています。
本社は東京都練馬区にあり、情報機器を扱っています。
酸化ガリウムを研究開発しているノベルクリスタルテクノロジーは、タムラ製作所の狭山事業所内にあり、会議室などもタムラ製作所と共用で使用しています。
どの拠点も都心からのアクセスが非常によく、住みやすい環境だと言えます。
タムラ製作所の年収
タムラ製作所の年収を見ていきましょう。
タムラ製作所の平均年収は684万円です。日本人の平均年収は461万円であることから、高い給与水準であることが分かります。
平均勤続年数は17.1年、平均年齢は44.4歳です。
これらのデータは本体採用の895人のデータとなります。
平均残業時間が月12.4時間と少ないため、仕事もプライベートもメリハリをつけて充実させたい方にオススメです。
まとめ
今回はタムラ製作所について紹介しました。
いかがだったでしょうか?
「将来性のあるパワー半導体の開発に携わりたい。」
「年収が高く、自分の頑張りに報いてくれる企業に行きたい。」
そういう方はぜひタムラ製作所への入社をご検討ください。
また、最先端の技術を取り扱っている企業は、求人情報を公開してしまうと、社内のどこにリソースを集中しているか分かってしまうため、ほとんどが非公開求人となります。
具体的な求人情報を知りたい方はぜひ半導体Jobエージェントにお問い合わせください。
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