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本記事では、半導体業界とともに成長を続ける世界最大の半導体検査装置メーカーのアドバンテストを紹介します。非常に高い年収がもらえる企業としても知られています。
アドバンテストを含む半導体製造装置メーカーが、なぜ高い年収を従業員に出せるのかについても解説したので、ぜひ最後まで本記事を読んでください。
動画で解説
アドバンテストの会社概要
設立は70年前の1954年で東証プライム市場に上場しています。
連結売上高は5,602億円。事業内容は、半導体・部品テストシステム事業、メカトロニクス関連事業、アフターサービスなどを行っています。従業員は連結で7,000人以上が在籍しています。
アドバンテストの業績
アドバンテストの業績について見ていきましょう。
半導体需要の拡大に伴い、売上高は右肩上がりの成長を見せており、2023年の営業利益率は脅威の29.9%となっています。
日本の製造業の平均は4%と言われており、10%を超えていたら優秀な企業と言われるレベルなので、ずば抜けて高収益な企業であることが分かります。
半導体製造装置メーカー売上高比較
こちらは、半導体製造装置メーカーの売上高ランキングの推移を示したものです。
2005年、2009年、2022年と常に世界シェア上位に位置しており、日本企業としては、東京エレクトロンに続いて2位に位置している企業です。
アドバンテストの歴史
アドバンテストの歴史について紹介します。
政府機関である逓信省電気試験所に勤務していた武田郁夫さんが、日立や三菱などの大企業が手掛けない計測分野に勝機を見出して、1954年にタケダ理研工業株式会社を設立したことが始まりです。
武田郁夫さんは、東大工学部にある武田先端知ビルという半導体研究施設建設のために資金を寄付した方でもあります。
設立当初は、計測機器メーカーとしてスタートしましたが、1972年に国産初の半導体試験装置を発売して、半導体業界に進出します。
1985年に社名を株式会社アドバンテストに変更しました。
アメリカ進出を目指し、当時の半導体世界トップレベルのAT&Tやベル研究所でシステム性能優秀さが認められ採用されたことをきっかけに次々とユーザーが増え、半導体テスト市場において世界シェア1位を獲得するにいたります。
近年では、より安定した経営基盤の確立を目指し、外国企業のM&Aも積極的に行っています。
特に、2011年の半導体試験装置大手のVerigyの買収という社運をかけた一手が成功し、その後のアドバンテストの成長の大きなきっかけとなりました。
Verigyは、アメリカのヒューレッド・パッカードの計測器部門が源流にある歴史ある会社です。
メモリ分野および量産向け機種開発に強みを持つアドバンテストと、ノンメモリ分野および研究開発向け技術に強みを持つVerigyとの統合により、デバイス、地域、顧客基盤などの両者得意分野の相互補完により、企業としての成長が加速しました。
アドバンテストの事業内容
アドバンテストの事業内容を見ていきます。
主力はやはり半導体・部品テストシステム事業です。アドバンテスト全体の72%を占めます。
それ以外には、テストシステムの周辺機器などを作っているメカトロニクス関連事業が11%です。
さらにサービス他には、製品の保守などが含まれており、18%という内訳となっています。
「電子計測技術」というコア技術を利用して、半導体テストシステム関連事業に特化して事業を行っている会社です。
半導体検査装置とは?
半導体テスト装置とはどのような装置なのかを説明します。
半導体チップは非常に精密なものなので、必ず不良品が混じってしまいます。
その不良品が市場に出回らないように、1チップずつ電気特性を確認する装置となります。
半導体テスト装置の外観は左図のようになっています。
また、右側には概念図を示しています。
テストヘッドには、プローブカードと呼ばれる、半導体チップの電極パッドに合わせた針が配置されたものがつけられています。それを上から押さえつけて、電極パッドと導通させることにより、電気特性を検査します。
電極パッドの配置が異なる半導体チップを計測する場合は、プローブカードを付け替えることで対応します。
アドバンテストの市場シェア
アドバンテストの市場シェアについて見ていきます。
こちらは、近年のアドバンテストの市場シェアの推移を示した図です。
2020年はシェア43%だったアドバンテストですが、2021年は47%、さらに2022年には57%とさらにシェアを伸ばしていることが分かります。
半導体テスタには、大きくSoCテスタとメモリテスタに分類されます。
SoCテスタは、ここではロジック半導体を検査するテスタとなります。それに対し、メモリテスタは、データを記録するメモリを検査ものです。
アドバンテストは、従来メモリテスタに強みを持っていたのですが、近年SoCテスタの市場シェアを高めており、2020年38%、2021年45%、2022年58%となっており、SoCテスタ、メモリテスタ合わせて、半導体テスト装置メーカーとして圧倒的なNo.1となっています。
地域別売上比率
地域別売上比率を見ていきます。
日本国内向けは4%であり、96%は海外向けとなります。特に半導体工場が多いアジアを中心に、世界各国でアドバンテストの装置が求められています。
アドバンテストの開発・製造拠点
アドバンテストの日本における開発・製造拠点を見ていきます。
拠点は北関東に集中しており、主要生産拠点は群馬工場となります。群馬にはR&Dセンターもあります。
その他、群馬と埼玉の県境にある加須市や、仙台市、北九州市にも研究開発拠点が存在します。
アドバンテストの年収
最後に、アドバンテストの年収を見ていきます。
アドバンテストの有価証券報告書より抜粋したデータをこちらに示しています。平均年収は1,005万円と、非常に高水準になっています。
日本人の平均年収が461万円と言われており、高収益企業だからこその非常に高い年収水準と言えます。
平均勤続年数は20.4年、平均年齢は46.1歳となっています。
右のグラフは、近年のアドバンテストの平均年収の推移を示しています。こちらのグラフが示すように、安定して平均年収1,000万円となっていることが分かると思います。
半導体製造装置メーカーの年収が高い理由
アドバンテストを始め、半導体製造装置メーカーの年収の高さが注目されています。
ではなぜ半導体製造装置メーカーの年収が高いのか、解説します。
理由としては、半導体市場が長期的な成長を続けていることと、参入障壁が極めて高く、価格競争が起きづらいことの2点が挙げられます。
半導体市場は長期的な成長トレンドを続けており、社会を大きく変えてきました。
今後も自動車の自動運転や脱炭素関連技術など、ますます需要が増えていくと予想されています。このような成長産業の場合、競争力のある製品を作ればどんどん売れるため、会社自体も成長して、従業員の年収も高くなることは想像しやすいと思います。
半導体製造装置メーカーの年収が高いもう一つの理由は、参入障壁が極めて高く、価格競争が起きづらいためです。
半導体業界は規模の経済が効きやすい代表的な業界となります。規模の経済とは、生産量が多くなるほど1個あたりにかかる固定費が安くなるという意味です。
極端な話、1台売っても、100台売っても同じ研究開発費、製造装置の減価償却費がかかるとしたら、規模の大きな企業が圧倒的に有利であると考えれば分かりやすいかと思います。
アドバンテストも、海外企業のM&Aを積極的に行っていると先ほど説明しましたが、規模の経済を意識した施策であると言えると思います。
次に、半導体製造装置は、最先端の技術が詰め込まれており、特許やノウハウなどの長年の蓄積が必要になるため、新規参入者が容易に真似することができません。
特許にすると、権利が認められる変わりに世に技術が公開されてしまうため、敢えて特許にしないで、社内ノウハウとして技術を守ることもよく行われます。
さらに、半導体製造装置の買い替えは、10年に1度など頻度が低く、さらに1台数千万、高ければ数百億円と非常に高額のため、失敗が許されません。そのため、メーカーの信頼や納入実績が重要視される傾向にあります。
これらの結果から、新規参入をすることが極めて難しく、価格競争が起きづらいため、非常に利益率の高いビジネスモデルとなっています。
以上のことから、半導体製造装置メーカーの年収は高くなる傾向にあります。
まとめ
今回は、世界最大の半導体テストメーカーのアドバンテストを紹介しました。
長年業界No.1でありながらも、さらなる盤石な体制を整えるべく投資を続けており、従来強かったメモリ分野だけでなく、SoC分野のテスト装置でも近年シェアを拡大し、圧倒的な存在感を示していることが伝わったのではないでしょうか?
「最先端の技術に携わり、成長産業に身を置いて自分自身も成長していきたい。」
「年収が高く、自分の頑張りに報いてくれる企業で思いっきりチャレンジしてみたい。」
そういう方はぜひアドバンテストへの入社を検討ください。
また、最先端の技術を取り扱っている企業は、求人情報を公開してしまうと、どこにリソースを集中しているか社外に漏れてしまうため、ほとんどが非公開求人となります。
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